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2020年のAV業界を振り返る

2020年を振り返ると、1月の国内初の新型コロナウイルス感染者確認以降、爆発的な感染拡大により全国で緊急事態宣言が発令されたことが思い返される。

感染拡大防止のために「三密」(1. 換気の悪い密閉空間 2. 多数が集まる密集場所 3. 間近で会話や発声をする密接場面)の防止が叫ばれる中、極めて「三密」ともいうべきアダルトビデオの撮影現場は、大きな影響を受けたのである。

一方で、コロナの話題に隠れる形でAV業界規制の動きは停滞していたともいえるだろう。のちに襲い掛かる法規制という猛烈な嵐を予感させない妙な静けさの中、AV村ではいくつか記録に留めるべき事件が起きていたのであった。

目次

AV男優・トニー大木、AV男優・横山一光の逮捕と元AV女優・松本亜璃沙、AV男優・ピエール剣の書類送検

事件が起きたキャンプで撮影されたピエール・トニー・松本・横山の写真。澤野もいる。

7月、珍妙なニュースが飛び込んできた。元AV女優・松本亜璃沙とその元夫でAV男優・ピエール剣ら3人が名誉毀損で書類送検されたというのである。なお、書類送検された残りのもう一人が誰か報道はされていないが、松本と当時交際していたとされるAV男優・ノリタロウではないかと考えている。

松本・ピエールらはYoutubeに「AV男優・トニー大木とAV男優・横山一光が土下座する動画」をアップロードしていた。トニーと横山は強制性交の疑いで逮捕され、その後、不起訴処分となっていたという。

この事件はどういった経緯で発生したのだろうか?

当時のAV男優スレによると、松本・ピエール・トニー・横山らは山梨県山中湖でキャンプした際、トニーと横山が参加していた被害女性(ピエールの彼女?)に性暴行をはたらいたという。ちなみに、そのキャンプにはAV男優・マッスル澤野も参加していた。

この非道に対し、後日松本、ピエールら3人がトニーと横山を問いただし、土下座させる様子をYouTubeに動画をアップしたのだ。

Youtubeの概要欄には「被害女性の被害を訴えるコメント」が切迫した筆致で掲載されており、のっぴきならない状況であることが推察された。

その後、トニーと横山は強制性交の疑いで逮捕されたものの、不起訴となったという。ちなみに、トニー・横山が逮捕されたという報道はなかった模様だ。

逆に、松本とピエールら3人は土下座動画を投稿したことが名誉毀損として書類送検され、報道に至った。

結局誰も起訴されなかったようで、被害女性のいる中一応の収束を見たことはかなり不可解だが、いずれにしてもAV業界はめちゃくちゃであることが改めて露呈し世間の顰蹙を買ったのであった。

里美ゆりあの強盗被害—闇バイトと内通者

里美の著書には脱税の件が赤裸々に語られているという(なお、読んでない笑)確定申告を全くしていなかったということだが、最大手ティーパワーズですらお粗末な状況では、他のプロダクションもお察しではないだろうか?最近は改善されたと信じたい。

ティーパワーズ所属AV女優・里美ゆりあは2014年に約2億4500万円の脱税で摘発され、追徴課税としてかなりの額を国税当局に持って行かれたものの、この報道によって里美の手元にはまだ大金が残っていることが世に知れ渡った。

ここに目をつけたのが強盗団である。

2020年10月26日、強盗2人組の少年は宅配業者を装い里美のマンションに押し入り、里美を押さえつけて部屋を物色。現金660万円を奪って逃走した。しかしすぐに2人と運転手の計3人が逮捕され、別の仲間1名も追加で逮捕された。記事で里美はこれ以外にも逃走中の指示役がいると明かしている。

しかしこの件は闇が深い。

ティーパワーズといえば関東連合・住吉会系暴力団員・松嶋クロスが創業したマッシムを前身とするプロダクションであり、関東連合・柴田大輔(故人)がマッシムに投資したと著書で語るなど、資本・経営の両面でバリバリのアウトローの会社である。

そんな会社のモデルから金を取ろうと企むとは大胆不敵と言わざるを得ない。別の記事では犯人が電話で指示役と通話しながら、里美にAVネタ・脱税ネタで語りかけつつ手慣れた感じで金品を物色していたという。また、里美の交際相手の住所なども知っていたようだ。

事件は「闇バイト」を使った犯行と考えられる。しかも里美をよく知る人物から情報をとった上で犯行に及んでいるとしか考えられないのだ。里美も内通者の存在を認識して疑心暗鬼になったのではないだろうか。

FALENO(ファレノ)躍進とオールグループ

2019年2月に始動したFALENOは、USENで知られるU-NEXTのサブスク配信専門AVメーカーとして出発した。当初は「AVのサブスク革命」をコンセプトに配信専門にこだわっていたようだが、ペイしなかったのか2019年10月以降は、DMM等での配信やSODグループとしてのDVD販売を行うようになる。

FALENOの特徴としては単体に注力した点が挙げられる。その象徴となったのが2019年12月からFALENO専属となった友田彩也香であった。その後、FALENOはWILL女優を引き抜いたり、女優を発掘して戦力強化を続けていった。

画像
当時の宣伝。FALENOは単体メーカーとしての地位を確立するためにエスワンの女優を露骨に引き抜いた。

2020年に専属として確立した女優の一部を以下に示す。なかなかのラインナップではないだろうか。

2020年1月 小野夕子(葵)
2020年2月 吉高寧々
2020年2月 東條なつ
2020年4月  天使もえ
2020年4月 橋本ありな
2020年3月 本郷愛(二階堂夢)
2020年5月 桃尻かなめ
2020年5月 椎名そら
2020年6月 天川そら
2020年9月 沙月恵奈
2020年9月 河南実里

こうしてFALENOは第二のエスワンとして認識されるようになったのである。その後2025年現在に至るまで、U-NEXTの豊富なサブスク資金によって安定して単体メーカーを維持している。

参考↓

FALENO運営に深く関与しているオールグループについても触れておこう。オールグループの傘下・alltheworks(株式会社ATW:代表取締役・山本みどり)のホームページでは、FALENOを運営していると書かれていた。

https://archive.is/gUNkS

オールグループ・田松良太は2023年にJPGの副代表理事の座を不可解な形で退いており、JPGでは田松を糾弾する異例の事態となっていた

オールグループのAV事務所オールプロ・アローズも2024年に解散したようで何らかの重大なトラブル(未払い?)があったと思われる。

AVプロダクション業はどこまで行っても職業安定法における有害業務紹介の違法性から逃れることができない。その意味で、田松はAVメーカー業はプロダクション業よりマシと考えてFALENOに専念したのかもしれないと私は考えている。

SOD AV無料キャンペーンで個人的情報流出の不始末

SOD、前代未聞の個人情報流出という不祥事

3月13日、SODは「自宅待機を応援!!0円でご利用キャンペーン」などと銘打ち、SODプライムにて200本のビデオを無料公開した。しかしその実体はメールアドレスやクレジットカードなどの登録が必要という物であって個人情報流出のリスクが潜んでいた。

この無料キャンペーンについては元AV女優・初美沙希が「私たちのしてきた仕事が無料って言われると少し悲しい」とツイートするなど業界内からも批判があがったが、話題性はありアクセスが殺到。サーバーダウンによって見られないという苦情の声も相次いだ。

そんな中、恐ろしいことに他人の個人情報や閲覧履歴が見えるというアダルトサイトで最もあってはならない前代未聞のバグが発生し、大きな騒動となったのである。

SODは「氏名」「住所」「電話番号」「ニックネーム」「メールアドレス」「購入履歴」「視聴履歴」「レビューリスト」「投稿動画」「会員ステータス」の10項目が流出したおそれがあると発表。お詫びとして最大5000円を支払うとした。

SODはこの不祥事によって元々不調だった動画配信・通信販売の道は完全に断たれたと言えるだろう。消費者としても、「怪しいサイトにアクセスしたり、個人情報を入力したりしてはならない」という点を肝に銘じていきたいものだ。

AVライター姫乃たま、自殺未遂

AVライターとして活躍してきた姫乃たま、衝撃の自殺未遂騒動

2016年にAVライター・雨宮まみが不可解な急死を遂げたり、2015年にAVライター・アケミンが「残念ながらODで救急車乗っても死ねない」などと告白したりと、AVという後ろめたい稼業に流れ着いたAVライターの精神は、たとえだれだけ「AV業界はクリーン&ホワイト」と強がってみても、やはり病み切っているのではないか。

そして2020年10月、姫乃たまも死を選ぼうとしていたのである。

突発的な自殺企図だったため、道具の不備および私の不手際で死に損ないました。いまのところ後遺症もありません。警察の方とお会いして捜索願も取り下げ(という用語で合ってるのか)ました。たくさんのご心配ご迷惑をおかけして、申し訳ございません。どのようにお詫び、挽回すればよいかわかりません。

親族、友人知人、関係者、ファンの方々からも本当に多くの優しい言葉をいただきました。また、私の性格を熟知しているファンの方ほど、想像を絶する忍耐力で静観させてしまったと思います。ひとりずつ誠心誠意お詫びとお礼をしたいのですが、いまはまだその気力がなく、少しずつお返事させてください。

性格というか、病気の性質上、どうしてもきちんとお礼を、お詫びを、挽回をしなければと思ってしまうのですが、体力気力共にそれができるか不安で、まだ自分の中で混乱しているので、しばしお待ちいただけたら幸いです。

姫乃が何に思い詰めて、どのようにして死のうとしたのかについては触れないでおくが、非道なAV村からは完全に足を洗い、堅気として生きてほしいと願うのであった。

終わりに

コロナ禍のもと、AV女優・AV男優たちの破廉恥な振る舞いで顰蹙を買ったAV業界ではアウトロー同士がAVマネーを狙い合う構図となっていることが浮き彫りとなった。FALENOの躍進の一方でオールプロは破滅した。SODの致命的失態により、SODは自前サイト放棄へと追いやられていく。そうした騒動の中で、姫乃たまの精神はむしまばれていったのだ。次回は2021年を検証していく。

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この記事を書いた人

ブログ「KMノート」管理人。
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