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AV事務所・フォーティーフォーマネジメントの興亡—深田えいみと相沢みなみ

フォーティーフォーマネジメント(44)は2015年設立のAV事務所であり、比較的新参のプレイヤーとされている。金融コンサル出身の吉田健一社長のもと、深田えいみ、相沢みなみという二大長期専属を抱え飛ぶ鳥を落とす勢いだった44は、脱税や横領、未払いといった金銭トラブルに巻き込まれていき、破滅した。では一体この新興事務所で何が起きていたのか?二大長期専属を軸に考えてみたい。

フォーティーフォーマネジメントの成立

フォーティーフォーマネジメント吉田健一元社長と深田えいみ

フォーティーフォーマネジメント(44)は、2015年に金融コンサル出身の吉田健一が立ち上げたSPA加盟AV事務所である。登記簿では、株式会社ピム(吉田健一及び藤原泰隆が代表取締役)が2015年7月に44に改名している。これに関連して、吉田がXで興味深いツイートをしていた。

ちなみに、秋月小町は政治家・添田詩織の妹だという。

2015年9月マキシングデビューの秋月小町について、吉田は「後輩(藤原氏か?)と事務所を始めた時の子」と言っているので、44になる前のピム時代に秋月を獲得したのだろう。

なお、この藤原氏は目黒区にある株式会社YK RISEの代表取締役をつとめているが、この会社がAV事務所・ワイズエンターテインメント(SPA加盟。所属女優:アイポケ長期専属・古川ほのかなど)と考えられる。なお、秋月も同事務所所属ということになっていた。

さて、ここからが悩ましいのだが、株式会社ピムの前身として「株式会社レイズプロモーション」と登記簿には書かれていたのである。私はこの会社名を見て、慄然とした。瑠未くるみにAV強要した会社と同じ名だからである。

レイズプロモーションについて

レイズプロモーションといえば、エイベックス系AV事務所・ミューズコミュニケーション(元AV女優・麻美ゆまがアリュール(現ハーベスターズ)と同時に所属していた。社長:中川雅雄)とイエローキャブ系芸能事務所・エヌアンドエスプロモーション(瀬戸早妃らが一時所属で、一応一般芸能事務所ということになっていた。N:野田義治、S:佐高慶社長とされる。なお、佐高は橘麗美というグラビアアイドルから性接待強要の告発をされている)の両方の流れを汲む、AV事務所・レイズプロモーション(社長:沖本健一→2013年12月〜中川雅雄)が思い浮かぶ。なお、中川は2009年10月に脱税、2016年9月に児童買春・ポルノ禁止法違反で逮捕されている有名な人物だ。

なお、このレイズプロモーションが2013年に瑠未くるみことくるみんアロマさんをAV強要した事務所である!

Withnewsの元記事を再精査すると、時系列的には沖本社長が「お金を持ち逃げ」し、中川社長が「AV出演強要は他の人がやったこと」と責任逃れした、というように読み取れるがどうだろうか。

しかし、残念ながら、44の前身のレイズプロモーションと瑠未くるみAV強要・レイズプロモーションが同一かについて、これ以上の詳細な情報は得られていない。吉田は「イエローキャブのアイドルをとあるAV事務所に所属させたがうまくいかず、自分でAV事務所を立ち上げた」と言っているので、エヌアンドエスのN=野田義治氏とは少なくとも何かしらの因縁はある。個人的には同一説を取りたい。

追記 4/5 19:15

瑠未くるみについて再精査していたのだが、自分の昔のブログの記事を見ていて慄然とした。

コメント欄に注目である。

  1. 名無しさん 2016年07月14日 14:26
    東京都文京区音羽一丁目22番19-クィーンシティ音羽201号
    代表取締役   沖 本 健 一
    取締役     佐  高  慶
    株式会社レイズプロモーション 
    【旧社名 株式会社エヌアンドエスプロモーション】

所在 東京都渋谷区恵比寿二丁目30番1号

  1. 名無しさん 2016年07月14日 14:31
    東京都世田谷区等々力六丁目22番15号
    代表取締役   中 川 雅 雄

前代表 東京都新宿区西落合一丁目16番9号
代表取締役   吉 田 健 一

前取締役 取締役     関 口 直 樹

東京都目黒区中目黒三丁目6番30号  現在の事務所の所在

2016年7月14のコメントで、中川雅雄と吉田健一の名前が並んでいた。住所も合致している。おそらくはコメント主がレイズプロモーションの登記簿情報を書き込んだと思われるが、当時取得した登記簿では、純然たる直系の関係者として中川と吉田が繋がっているのである。

この状況証拠から見て、私は瑠未くるみ強要レイズプロモーションとフォーティフォーマネジメントは直系であると断定したい。

44所属女優として知られるのは深田えいみ、相沢みなみ(系列のE-point→Apricity)、月島さくら、日向なつなどである。現時点では深田はマインズ、相沢は引退、月島はカプセルエージェンシー、ひなたはティーパワーズとバラバラになってしまった。

天海こころ改め深田えいみのブレイクと脱税騒動

深田えいみ

吉田健一のロングインタビューによれば、天海こころは吉田の後輩が運営するAV転身前提の地下アイドルグループメンバーとして16年にデビュー。17年にSOD専属としてAVデビューし4本出演したが芽が出ず企画単体となったという。当時の出演料(天海の手取りではなく、SODから事務所に支払われる金額)は80万円で、「青春時代」レーベルであったためか専属にしては格安であった。

全身整形を経て2018年改名再デビューした深田えいみはキカタンとしてブレイクを果たす。その後WILL専属で月間12本、年間144本契約で出演料70万円という異例の契約を獲得。しかし流石に体が追いつかず、途中で月1本出演料550万円の高待遇の専属契約に変更したという。

深田のAVのギャラは事務所と折半していた、と吉田は語る。それ以外に44の関与しないYoutube収入もあり、深田は巨額の収入を得ていたのだ。2022年12月の国税の調査により、深田は過去7年間分、8000万円の追徴課税を受けたという。AV業界に疲れたという吉田健一は2023年2月に社長を退任した。

この追徴課税について、23年9月にマインズに移籍した深田は「44には『しっかりと確定申告している』との旨説明を受けていた。吉田社長は飛んだ」と語っていた。しかしながら、吉田氏のロングインタビューでの反論に深田は口を閉ざしたままだ。深田が追徴課税を払う必要があるのは確実のようだし、44の深田への未払いはなさそうである。

さて、確定申告周りについて吉田氏の言っている内容は一応信頼できそうだが、ではなぜ44は深田の化粧品トラブルで生じた100万円の未払いを放置したのだろうか?2022年12月の段階で差し押さえられた44の口座には6000円しかなかったという。

深田・相沢という長期専属2枚看板の会社が金欠になる理由は不明である。44所属kawaii専属・日向なつによるとマネージャー高橋による横領があったのだという。

ちなみに吉田氏も高橋央という人物を探しているようであった。

登記簿では、吉田健一が社長を退いた後、内田龍という人物が新たに社長に就任している。この新社長は44のマネージャーだと日向なつはツイートしている。

しかしながら、内田新社長のもとでも未払いは解消されなかったようだ。44に見切りをつけた日向なつはひなたなつとして2024年11月6日にティーパワーズに移籍した。

こうした騒動を総合的にどう捉えるか?ひなたなつは、横領や経営悪化が原因というよりも、44の「計画倒産」説を提唱している。

44はホームページも閉鎖された。AV事務所の常套手段は、不祥事があったら屋号を変えてしれっと出直すというものである。0からのスタートだとしても、モデルを見つけてきて専属にできればそれでよし、という世界なのだ。

アイポケ長期専属・相沢みなみとE-point社長・相沢陽太の死

相沢みなみは相沢陽太社長にスカウトされ、AV業界入りした。

44系列のE-point相沢陽太社長にスカウトされ相沢姓をもらった相沢みなみは2016年9月、アイポケ専属としてデビューした。ちなみに撮影は2016年3月なので相沢みなみは当時19歳である。「20歳未満のモデルは随分昔からAV業界では撮影していない!」なるAV新法反対AV擁護派の主張は普通に嘘である。

当初相沢のセールスはイマイチでアイポケに切られかけたのだが、2017年1月の初のオフ会の後、親バレしたことを契機になぜか専属契約が延長された。2016年はCAがバコキャンで摘発されWILLに社名変更するなど不安定な時期だったので、新たな専属を引っ張ってくるよりも、親バレを乗り越えパブ全が期待できる相沢みなみを引き続き起用し安定を図ったのではないか。撮影のない空白の5ヶ月をキカタンにならずに凌ぎ切ったところに相沢みなみの幸運はあったといえる。

パブ全の相沢はアイポケ長期専属にふさわしい人気を獲得していく。特に私が強く印象に残っているのは、2018年3月、相沢が清泉女子大学を卒業した時のツイートだ。相沢は大学の象徴的な階段の写真をアップし、実質、大学名をアピールしていた。これには一部の熱狂的な特定マニアも満足したことだろう。

2018年7月に相沢陽太社長が白血病で入院する。相沢社長の病床からの応援を受け、2019年5月、相沢みなみはFANZAアダルトアワード2019最優秀女優賞を獲得した。2019年9月に相沢社長が37歳で死去したため、相沢みなみは後継会社Apricity(2019年12月23日設立、代表取締役:阿原千賀子)に「移籍」。2023年9月のVR作品をラスト出演として、相沢はAV女優業を引退した。

その後、相沢はDJ pixeLとして活動し、2024年12月にバーニングプロダクション副社長に就任、2025年1月に周防彰悟社長と結婚した。バーニングプロダクションの登記簿では副社長・周防綾香の名前が確認できる。

巨大プロダクションを切り盛りするという重大な役目が回ってきた周防彰悟社長にとって、最愛の相沢陽太社長のために全てを投げ打ってV出演までした相沢みなみは、最も信頼できる人物に映ったのだろう。

AVスカウト・AVプロダクション社長として命を散らした相沢陽太の思い出を語る友人のインスタより(https://www.instagram.com/boku_mickey419/p/Ctvscx-PGiS/

吉田氏は追憶で、深田と相沢は億越えで稼がせてくれた、と語っている。深田との確執が生じ、吉田にとっては相沢のみが良き思い出となっているのかもしれない。

なお、元44所属・天川そらもギャラの未払いを訴えていたのは記憶に新しい。

このほかにも、AV業界の政治的活動を続けるお騒がせAV女優・月島さくらを追放したりと、44の運営については色々とツッコミどころは存在する。旧適正AV業界として44のようなダクションを是正する意欲や能力があるのかは全く見えてこない。

44というダクションは新興ということもあってか、モデルも吉田氏も割とフランクに発言していくダクションであった。ダクションの抱える問題点が可視化されていくことは良い傾向と思うので、引き続きひなたなつらの業界人の闊達な発言に期待していきたい。

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この記事を書いた人

KM NOTE管理人。
2010〜2018年にブログ「AVメモ」を運営していました(現在非公開)。
非道なAV強要を目の当たりにし、AV業界批判を続けています。
noteもやっています。https://note.com/awsedrfr29876

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